あしのむくみの原因として最も多いのは静脈瘤です。多くの場合、静脈瘤は弾性ストッキング装着で症状がなくなり、また簡単な手術で治ります。 あしのむくみでお悩みのかたは、当院「血管外科」にご相談下さい。

-下肢の浮腫(むくみ)の原因-
  • あしのむくみは、(1)心臓へもどる血液の流れが悪くなったときや、(2)リンパの流れが滞ることによって おこります。
  • 心臓へもどる血液の流れが悪くなる病気には静脈瘤、 静脈血栓症、心不全などがありますが、このうちあしのむくみの原因として最も多いのは静脈瘤です。
  • リンパの流れが滞る病気にはリンパ管炎、リンパ浮腫等があります。

>> 静脈瘤とは?
>> 静脈瘤の症状は?
>> 日常生活で気をつけることは?
>> 静脈瘤の治療は?


  • 脚の静脈が太く浮き出てくるものが静脈瘤で、静脈の弁不全による血液逆流がその原因です。
  • 静脈瘤は女性にできやすく、妊娠分娩をきっかけに症状が進行することが多い。
  • 職業別では、看護師、美容師、調理師、店員など立ち仕事に従事する人に多く、また進行しやすい。
  • 健康な人にも静脈瘤を持っている人は多く、年齢を経るにしたがって増えていきます。
静脈瘤は治療しないで放置しておくと皮膚の栄養障害を起こし、 ついには治療困難な皮膚壊死・潰瘍を作ることがあります。

  • 外見上醜く美容的に悩む(血管拡張、色素沈着、潰瘍形成)。
  • 下肢が重い、だるい、疲れやすい。立っていると痛みがある。
  • 下肢がつる、夜間にこむら返りが起こる。
  • 下肢の熱感、下肢のむくみ(浮腫)。
  • 治療困難な皮膚壊死・潰瘍。

  • 長時間立ったままや腰掛けたままでいないこと。
  • できるだけ静脈の弁に負担のかからないようにする
  • ソファーなどを利用して足を上げ、夜は座布団などを利用し足を心臓より高くして寝る。
  • 太りすぎないようにする、また、おなかを締めないようにする。
  • 脚はいつも清潔にし、皮膚炎や潰瘍が起こるきっかけを作らないようにする。
  • 弾性ストッキングを履く

弾力ストッキングによる治療、手術(ストリッピング手術)等 が行われます。

弾性ストッキングによる治療
これは根本的な治療ではなく、保存的な治療です。静脈瘤は消失しませんが、症状を進行させず、新しい静脈瘤ができるのを防ぎます。また、副作用もなく、弾性ストッキングを履くことによりすぐに静脈瘤の症状は取れてしまいます。
 
手術による治療 (静脈瘤抜去術:ストリッピング手術)
  • 根本的に静脈瘤を治すには手 術的治療が必要です。
  • 手術は主に静脈瘤抜去術(ストリッピング)が行われます。
  • 通常の入院期間は3泊4日で、手術翌日から歩行し食事も普通にできます。
  • 退院後 は一定期間、弾性ストッキングをつけますが、早期より通常の仕事に復帰することができます。
手術終了時の写真:1-2cmの皮膚切開創より静脈瘤を抜去し(引き抜き)、傷が目立たないように埋没縫合する。