お見舞い

東日本大震災により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
一日も早い復興を祈念致します。



2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、日本の観測史上最大のマグニチュード9.0を記録しました。この地震により、場所によっては波高10メートル以上、最高遡上高9.8mにも及ぶ大津波が発生し、東北地方の沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。警察庁によると、震災全体の人的被害は死亡1万4775人、行方不明者1万706人、負傷者5314人、避難者は12万5778人としています。高齢者を中心に、避難所で死亡するものも相次いでおり、避難所の不衛生や寒さによる死者は3月末までに280人を超えているとのことであります。

東北地方の医療機関や医師の被害状況も明らかになりつつあり、宮城県医師会の調査では、震災により死亡した医師は9人にのぼり、津波による甚大な被害を受けた南三陸町では、36診療所のうち30診療所が流され、現在機能しているのは6診療所のみとのことであります。災害地の医療ニーズは時間の経過とともに変わり、震災直後は津波による低体温症や脱臼・骨折、避難所では不衛生や栄養失調による感染症、下痢や肺炎などが多くノロウィルスやインフルエンザの流行が心配される。津波によるがれきやヘドロの撤去作業が進む中、粉じんや有毒物質、細菌吸入による呼吸器疾患が増え、長期の避難所生活によるストレスや睡眠障害により高血圧症の悪化がみられ、医療機関の崩壊によって治療が受けられなくなった糖尿病患者などの慢性疾患を持つ患者では持病が悪化するケースも多いという。

被災地復興には多くの寄付金、支援物資、ボランテイア活動があり、国民的な支援の広がりがあります。医療面でも今後長期的な展望のもとに応援体制を構築する必要があり、全国の労災病院ネットワークでも医師、看護師、リハビリテーション科技師、検査科技師など応援派遣体制が組まれ、当せき損センターでも派遣体制を整え、出番を待っている状態です。また、院内では震災直後から看護部を中心とした募金活動が始まり、大きな被害を受けた宮城県の公立病院に県を介して集まった義援金を送りました。また病棟屋上に「がんばろう日本」「見せよう、日本の力」の応援メッセージを掲げました。

看板作成風景 看板作成風景
看板作成風景 看板作成風景

地震、津波による未曾有とも表現される自然災害に加え、チェルノブイリ事故に匹敵する福島原発事故はいまだ収束の見通しが立たない状況であります。原発を国策として推し進めてきた政府、対策を怠り安全神話を作り上げてきた御用学者、マスコミに大きな責任がありますが、エネルギー問題は国民一人一人が今後とも真剣に考えていかなければならない問題であり、50年先、100年先、子や孫、さらにその先を考えることが大切ではないでしょうか。